先に結論:文章で「落ち着いた大人の声」「少し高めで明るい声」などと指定し、AI音声を作れる新機能が登場しました。ただし、これはChatGPTアプリで声を追加する機能ではなく、開発者向けのOpenAI API機能です。
ChatGPTで話し声を選んでいて、「もっと落ち着いた声がいい」「動画ナレーション用に、やさしく聞き取りやすい声を作れたら」と思ったことはありませんか?
OpenAIは2026年10月16日、声の特徴を文章で指定して保存できるPrompt-to-Voice(プロンプト・トゥ・ボイス)を公開しました。録音サンプルを用意せず、声の年齢感、音の高さ、話す速さ、声質などを言葉で設計できます。
Prompt-to-Voiceで何ができる?
例えば、次のような説明で声を作れます。
落ち着いて安心感のある大人の声。中くらいの高さで、なめらかで温かい声質。急がず、会話するような速さで話す。
指定できる主な要素は、アクセント、年齢感、男性的・女性的といった聞こえ方、音の高さ、声質、かすれ具合、声量、話す速さ、個性の強さです。作成した声にはIDが発行され、同じ声を別のGPT-Liveセッションでも再利用できます。
- 録音サンプルや同意音声は不要
- 文章だけで声の方向性を指定できる
- 1組織につき最大100個まで保存可能
- 作成自体は無料
- 音声を実際に再生するとGPT-Liveの利用料金がかかる
ChatGPTの「音声設定」には追加できない
ここが一番間違えやすいところです。
| 項目 | 今回のPrompt-to-Voice | ChatGPTの通常ボイス |
|---|---|---|
| 使う場所 | OpenAI API/Voice Playground | ChatGPTアプリ・Web |
| 声の作り方 | 文章で声質を指定 | 用意された声から選択 |
| 必要なもの | APIアカウント・APIキー | ChatGPTアカウント |
| 対応先 | GPT-Liveのみ | ChatGPT Voice |
| 料金 | 作成無料、再生はAPI課金 | 契約プランと利用上限による |
作った声は現時点でGPT-Live専用です。通常のText-to-Speech API、Realtime API、音声付きChat Completionsでは使えません。ChatGPTの「設定 → 音声」に、自作の声が増えるわけでもありません。
ChatGPTアプリに追加された日本語ボイスについては、GPT-Live-1.1と新しい日本語ボイスの記事で別にまとめています。
料金は「声を作るだけ」なら無料
OpenAI公式によると、プロンプトから声を作成・保存する処理は無料です。ただし、声を試聴したり会話に使ったりするとGPT-Liveセッションが始まり、1分あたり0.05米ドルが秒単位で課金されます。バックエンドのモデルやツールを使えば、その料金も別にかかります。
つまり「無料で声を100個作って、ずっと無料で読み上げる」という機能ではありません。ChatGPT Plusの月額料金にも含まれないAPI課金なので、試す前にAPI側の利用上限を設定しておくほうが安心です。
日本語でも使える?
Prompt-to-Voiceは「すべてのAPI利用者へ一般提供」と案内されています。一方、公式ガイドは声の説明例を英語で示しており、日本語プロンプトでの作成品質や、日本語音声の自然さを個別には保証していません。
同じ10月16日の更新で、GPT-Liveには日本語向けの新しい声「Harema」と「Shida」も追加されています。日本語で確実に試したい初心者は、まず用意された日本語ボイスを確認し、それで足りない場合にPrompt-to-Voiceを試す順番がよさそうです。
使う前に知っておきたい4つのルール
- 有名人や特定人物の声まねを指定しない:名前を挙げた模倣は禁止されています。
- 子どもの声は作れない:成人の声として説明する必要があります。
- AI音声だと明示する:聞く人に、人間の声ではなくAI生成音声だと分かる表示が必要です。
- 似た声が他人にも生成される可能性がある:作った声の独占性は保証されません。
商用利用について、公式ガイドは出力の権利がOpenAIとの契約条件に従うと説明しています。「すべての用途で無条件に商用利用可能」とは書かれていないため、広告動画や有料サービスへ組み込む場合は、利用規約と契約条件を個別に確認してください。
初心者なら、まずVoice Playgroundで確認
コードを書かずに試す入口として、OpenAIはVoice Playgroundを案内しています。流れはシンプルです。
- OpenAI Platformへログインする
- Voice Playgroundを開く
- 成人の声として、声質・高さ・速さ・雰囲気を文章で指定する
- 作成した声をGPT-Liveで試聴する
- 気に入った声のIDと元の説明文を保存する
私は今回、公式仕様の確認まで行い、実際のAPI音声生成は実施していません。そのため、日本語プロンプト同士の聞き比べや音質評価は、実機検証後に別記事で追記します。
録音済みの音声を文字起こししたい場合は別機能です。ChatGPTへ音声ファイルをアップロードする方法を参考にしてください。
まとめ:便利そうでも、まずはAPI専用と覚える
- 声の特徴を文章で指定して保存できる
- 2026年10月16日に全API利用者向けへ公開
- 作成無料、GPT-Liveでの再生は1分0.05米ドル
- ChatGPTアプリの通常ボイスには追加できない
- 人物の声まね、子どもの声は禁止
- AI生成音声であることの表示が必要
普通にChatGPTと話したい人は、用意された新しい日本語ボイスで十分です。自社の音声案内、会話アプリ、音声エージェントなどで「用途に合う声を固定して使いたい」人に向いた機能です。

